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論説11「無漂白」 新宿に「山長黒うどん」というのがあって、中々味わい深い味のうどんを出す。これが麸入りの玄小麦であるのかどうか不詳だが、一般にうどんにいま少し味わいがあってもよいようには思われる。讃岐系の生きたうどん麺は確かに美味しいとは思うが呑み明けのビタミン欠乏時には何とも重たい気がし、蕎麦の方が良い。蕎麦に栄養学的にもバランスのとれた食品であると感じる。うどんは食感はよいが漂白された真っ白うどんは何か物足りない。大阪うどんが種物を工夫した由縁である。讃岐も醤油かけうどんばかり食べていては栄養も偏るのではなかろうか。ただ本来的には古伝のうどんは漂白メリケン粉ではなく、無漂白地粉でいま少し味わいと栄養があったのではなかろう。ただ外皮を入れては小麦粉にならず、うどんにもならないかと思われる。麸を残してうどんが出来るかどうか不詳である。それは程度の問題であるのか浅学無学の為に不詳であり、これから勉強の必要を痛感する。漂白という言葉自体の意味もよく分からない。一般の小麦粉というのは薬品を用いてより漂白するという事であるのか。余り意味あることとは思われないのだけれど。 ともあれ蕎麦には良質のタンパク質も含むが小麦粉には基本的に皆無。だからうどんにはきつねが良く合うし、讃岐では竹輪天を合わせる事が多いようである。しかしもっと小麦の栄養素を残し、うどんと出汁のみで十二分に美味しいようなそんなうどんを食べてみたいと思う。ただ出来てみると関西出汁のぶつかる可能性もないとは言えないのだけれど。だから「山長黒うどん」は基本的に味噌煮込みとなっており、黒うどんの味と拮抗しない工夫がされている。しかし関西出汁を用いた関西かけ蕎麦もあるわけであり、玄うどんと関西出汁が必ずしも合わないとは言えない。全ては程度の問題という事があるが、色々なうどんを食べてみたいと思う。ともかく白いばかりの味なしうどんは余り頂きたくない。
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