■「なかむらたこ焼き」 吉田町に「なかむらたこ焼き屋」があり、メニューを見ると「ソース」と「出汁」があったので入ってみるとかなり微妙だった。皿にたこ焼き、出汁皿に出汁がついて来る。これでは明石に近いがとなりをみると同じものにソースを塗って食べているので我も従う。よって結果論は同じであるが、「神戸たこ焼き」として扱うには問題点が多いだろう。あげてみよう。
@スタイルは明石焼きであること。 Aソースは塗れるが、この店はお好み焼きと兼ねているのでたまたまソースがあったのみとも言える。 Bぶっかけ神戸たこ焼きほど出汁の量は無く、出汁のうま味を堪能できない。
この様な問題点を鑑み、一層のこと、丼(もしくは碗)にたこ焼きを入れ、それに出汁を掛けるスタイルを「神戸たこ焼き」の必須必要条件と置くべきかと思われた。しかしだとすると「三ツ輪」がこの条件を満たしていない。ただ「三ツ輪」の場合碗に入っているのでそれに出汁を掛ければ神戸式に早変わりする。そしてソース、かけものが充実している点を鑑みると「三ツ輪」は何方かと言えば神戸式と言えるだろうか。
なかむらたこ焼きは丁寧に造り、丸い見事なたこ焼きをやっており中々の職人芸である。良い店であるので出来ればぶっかけメニューが欲しい所ではある。
▲「友喜」 長田神社商店街の中央市場内にたこ焼き屋「友喜」があり、「出汁」メニューがあったので注文してみた。結論はこれでは明石式である(生地自体は玉子焼きとはいいにくいが)。そして客が使えるソースがない。調理用のものはあるが、客が自由に出来るようには置いていない。 頼めば遣わせてくれるとは思うが我は東京暮らしが長くその様な関西風のごり押しはやらない。明石式として素直に頂く。神戸式に拘らなければこれはこれで美味しい。実際「なかむらたこ焼き」も含めてたこ焼き屋としては美味しい店であり、出汁も良い出汁を出しておられるので拘りなければよって行かれるのもよいだろう。
◎再試考(平成十九年六月二十二日記)
いろいろな店を訪れ、いろいろなタイプのたこ焼きに接し、それぞれの分類と定義をなしてゆく内に「なかむら」も「友喜」の「神戸たこ焼き」の範疇に入れてもよいのではないかという気がしてきた。それは確かに@大阪たこ焼きとA明石焼きの狭間にあるたこ焼きには違いないのだから。
その中の究極のものとして「神戸下町たこ焼き」を捉えたいと考える。
×延月堂商店
「神戸たこ焼き」がでる立ち飲み居酒屋として紹介されていたので訪れてみたが、内容的にはさにあらずであった。「たこ焼き」を頼むと冷凍たこ焼きをチンしたものをソース付きででてきたので驚いて出汁付きはないのかというと「それは明石焼き」というのでそれも頼んだが、全く同じく冷凍もののチンに出汁を入れ、ネギを添えてでてきた。内容的には全く明石焼き(の冷凍)。たこ焼き用ソースはおいておらず、全く明石焼きである。色々おとずれたが、自分で焼かない店は初めてであり、「神戸たこ焼き」では全くなく、またたこ焼き屋でもない。当たり前のことではあるのだが。ともかく丸くないボタン型(饅頭型)たこ焼きはいやだ。
×大安亭市場たこ焼き屋
大安亭市場にはかつて「神戸たこ焼き」が出来る店があったというが、残念ながら経営者が変わり「神戸たこ焼き」は無くなってしまったようである。
訪れて見ると明石焼きと明記しており、出汁のものはあるかと尋ねるとないという。明石焼きをソースで出す店のようである。しかしそれは大阪たこ焼きのスタイルなんですけど……。ともかく神戸たこ焼きの店では無くなっている事は事実である。
●訂正
この記事を書いてから店を紹介しているネット記事と照らし合わせると我が行った店とは違うような感じである。大安亭市場の中のたこ焼き屋という事で間違いないかと思ったが、紹介記事の位置が若干違っている。これはどうも我の間違いであったと思うので大安亭市場たこ焼き屋については今一度調査してみたと思う。
我が調査したのは市場のやや南に下った所の店であり、うどん屋の前にある店である。この店はソース塗りの明石焼き屋を基本としているようである。
|