神戸のタコ焼きは真に独特のスタイルの食べ物である。明石焼きとも東京系タコ焼きとも違う独特のものである。差異を明確にしてみよう。 @明石焼きはタコ焼きを出汁につけて食べる事が多い。これは大阪や京都でも同じでも多くは同じであり、そして玉子焼きといえる位玉子が勝った柔らかい皮の造りである事が多い。 A東京系のタコ焼きは我も殆ど食べた事はないが、確かソースをかけてイリコ粉や青海苔をかけて食べるのではないかと思う。 B対して神戸の食べ方は主に深いお碗にタコ焼きを何個か入れ、それに出汁(透明な鰹昆布などの良い出汁である)をいれてだす。そして客はお好みにそれにイリコ粉やソースをかけて食べると云うスタイルである。ソースをかけなければ@にも近いがしかし最初から出汁に浸かっている所が違う。また皮はやや小麦粉が勝った焼きのある比較的固い皮である。それが出汁に入って丁度良い固さになる云う感じである。神戸で我も殆ど一軒で食べたのみであり(ただし殆ど毎日食べていた)、他の店は知らず、そして東京でも他の地域でもみたことのない独特のタコ焼きであった。これぞ正しく神戸独特の食べ物文化と言えるかも知れない。
古伝ファーストフード
たこ焼きとはなんだろう。三度の食事にでるものではなく、神戸でもさすがにオカズにはでなかった。オヤツといえるものであり、現代のファーストフードともいえる。しかし内容的には単なる甘いオカシなんぞよりよほど栄養があり、身体によい成分があるのではないかと思われる。讃岐ではうどんがオヤツにもなったというが神戸ではうどんがオヤツという感覚はさすがになく、やはりたこ焼きがオヤツであったと思う。
ただ少し気になるのは我も一軒の店しかいったことがないという事実であり、余り普遍的ではなかったことになる。うどん屋やその他に比べてかなりマイナーな食べ物だったわけである。
●誤解
神戸タコ焼きの解説に舌足らずの部分もあり、イメージしににく誤解されやすい部分があるかも知れない。よってこの点付け加えて置きたい。
誤解の第一としては「それでは要するに明石焼きの簡略版、それに大阪風にソースを付け加えて出来たもの?」と云う観念である。
確かに明石焼きにも好みでソースをつける所もあるし、また明石焼き的に食べる所を簡略に丼に出汁をかけて出すだけと云う風にも捉えられやすい。しかしこの点についてはタコ焼きの生地、つまりコナの成分自体がかなり違う事を指摘して置きたい。何方かと言えば大阪系に近いが、しかし出汁をと一緒に食べる為に大阪系とも違う部分もあり、正に神戸伝独特のタコ焼きの生地の成分となっているのである。
第一に明石焼きとは食感がまるで違う食べ物となっいることを知っていただきたいのである。
古伝
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